アメリカ生活をはじめて約4年たち、私たち一家は約半年前に日本に本帰国しました。
いざ故郷である日本に帰り、幸せを感じるのかと思いきや・・・
まさかの
「日本が住みづらい。」
「日本で暮らすことがストレス。」
と感じる日々でした。
これを逆カルチャーショックと呼ぶのだそうです。
この記事では、本帰国により体験した逆カルチャーショックについて、
・逆カルチャーショックの体験談
・本帰国して感じた戸惑い
・本帰国して感じた日本のすばらしさ
・逆カルチャーショックへの心構えと対策
に分けて解説します。
日本への本帰国を控えた方は、ぜひともこのような逆カルチャーショックへの心構えをしていただきたいです。
「本帰国したら日本のことをどう感じる?」
「本帰国後の心構えをしておきたい。」
このような悩みのある方は、ぜひご一読ください。
【体験談】本帰国後の逆カルチャーショック
本帰国してみて予想外だったのことのひとつがが、
日本で生活することをストレスに感じた
ということでした。
ようやく故郷である日本の地を踏めたのです。
アメリカでできなかったことをたくさんしようと楽しみに帰ったはずでした。
しかし、日々感じるストレスの連続・・・
「どうしてこんなに住みにくいの?」
「どうして日本ってこうなの?」
ということが多々ありました。
これは、
逆カルチャーショック
なのだと同じ元駐在妻から教えてもらいました。
逆カルチャーショクとは、
海外での生活を終え、故郷であるはずの日本に帰国した際に負ってしまう精神的なダメージのこと
です。
私と同時期に3家族本帰国をしています。
元駐在妻3人とも、日本に帰ってきてかなりストレスを感じたと言っています。
なぜ逆カルチャーショックを感じるのでしょうか?
それは、
・アメリカでの生活に慣れてしまっていたこと
・日本の生活や自分たちも渡米前から変化していたこと
が考えられます。
アメリカでの生活を終えて、私たちは少し寂しさを抱えながら帰りの飛行機に乗りました。
子どもを抱えて異国で暮らすことは、思った以上に大変なことでした。
それでも約4年生活し、気づけばアメリカでの生活が日常にかわっていました。
住み慣れた家、通い慣れたスーパー、公園・・・。
アメリカでの生活が“ふつう”になってしまっていました。
よくも悪くも、アメリカの生活に慣れてしまっていたんですね。
またこの数年で日本もかなり変化していました。
たとえば、Paypayやレジ袋の持参は、渡米前はいまほど普及していませんでした。
歌手やお笑い芸人、アイドルも、わからない人ばかりになってしまいました。
そして私たちも渡米前の状況とはかわっていました。
私たち一家は、日本に住んでいた家がない状態でした。
日本で以前住んでいた家は賃貸でしたので引き払っていました。
新たな地で家を借り、住み始めたのです。
娘は日本で初めて幼稚園に通い始めました。
近所には知り合いもいません。
ママ友もいません。
せっかくアメリカで築いた人間関係もふりだしにもどってしまいました。
日本にいるのに、また孤独な生活が始まってしまったのです。
そして、生活するうえでの戸惑いも多く感じました。
ずっと日本に暮らしていたのなら、感じなかったであろう戸惑いです。
もちろん日本ってほんとうにすばらしいと感じた部分もたくさんあります。
次からは、私が感じた逆カルチャーショックについて
・本帰国して感じた戸惑い
・本帰国して感じた日本のすばらしさ
にわけてお伝えします。
本帰国して感じた戸惑い
本帰国して、
「なんだか日本のこういうところが生活しづらいなあ。」
と感じてしまったことがいくつかありました。
いくつか挙げると、
【夫の会社】
・帰宅時間が遅い
・飲み会が多い
・仕事量が多い
【子育て】
・車がないと不便
・子連れでの公共交通機関の乗り換えが大変
・幼稚園などの入園準備や持ち物の用意が大変
・幼稚園など学校行事が多い
・病院の順番とりが大変
・子どもたちの単独行動
・子どもの泣き声への視線
・夫の協力が得られない
【ふだんの生活】
・モノや店が多い
・コンビニやレジの店員さんがそっけない
・大きいゴミがかんたんに捨てられない
・家が狭い
・歩道に自転車が多い
・買い物が不便
・日本の生活の不満を言える友人がいない
などがあります。
あくまで私が体験・実感した一例です。
家族状況や住む環境、生活様式によって感じ方は異なると思います。
夫の会社の労働環境
夫の労働環境は、日本に帰国して悪化したと感じます。
駐在中は、朝8時頃に出発し、夜7~8時には帰宅していました。
しかし日本では、朝6時に出発し、帰りは9時を過ぎています。
平日は家族全員で顔を合わせることができなくなりました。
また、平日に片付かなかった仕事を、土日にやることも多いです。
夫の同僚も仕事が忙しい状況は同じようです。
土日や平日夜遅くにも、夫の携帯には仕事のメール着信の通知が届きます。
コロナ禍もひと段落し、飲み会も増えてきているように感じます。
このような状況はある程度覚悟はしていました。
しかし、いざこのような生活が始まると、日本の労働環境の悪さに多少怒りがこみあげてしまうものです。
子育て環境
子育てについては、アメリカのほうが肩の力を抜いてできていた気がします。
まず、アメリカは車社会で子育てにはとても便利でした。
スーパーや公園、友達の家、保育園などに行くのも、すべて車を使っていました。
アメリカではとても小さな公園でさえ、駐車場が完備されていました。
ところが日本に帰ってきて徒歩生活になり、これらの環境が一変しました。
帰国前に持っていた車は、手放していました。
また、車を買うかどうかは、帰国してから考えようということで、車は所持していない状況です。
徒歩ですべての場所を移動するのは、なかなか慣れませんでした。
スーパーで買い物しても、それを徒歩で持って帰らなければいけません。
アメリカでは1週間の食材をまとめ買いして車で持ち帰っていました。
1週間分の食材を徒歩で持って帰れるわけもなく、必然的に買い物に行く回数が増えました。
そろそろコープの宅配を申し込もうと思います。
また日本は公共交通機関である程度いろいろな場所へ行くことができます。
ただ我が家には0歳児の子がいるので、駅でエレベーターを探すのに一苦労です。
そして、なぜか日本では、子どもの鳴き声に皆が敏感な気がしてなりません。
少しでも娘が泣いていると、皆の視線を感じてしまいます。
公共交通機関などが、とても静かすぎるせいもしれません。
日本のこのようなマナーは本当に素晴らしいのですが、子育て中はそれがプレッシャーに感じることもあるんです。
アメリカではそのようなことは感じませんでした。
いい意味で、皆ほかの子どものことにそれほど注意をむけていない気がします。
泣いていても、放っておいてくれました。
そして、レストランでも公共の場でも、堂々と子どもを連れていました。
これは、アメリカの育児でかなり助かった点でした。
日本は、他人に迷惑をかけてはならない、かけられてはならないといった意識がかなり強いように感じます。
これが子育てをするうえでのかなりプレッシャーになっています。
幼稚園や学校などの準備や行事の多さもかなり日本のママさんたちの負担になっている印象です。
ただ日本に帰ってきたからには、これらのことに慣れて生活していく必要があります。
アメリカで育児できたことは、とても自分にとってありがたかったのだと実感しています。
ふだんの生活
日本に住んでいて便利なことも、気づけば戸惑いにかわってしまうこともあります。
モノや店が多い
帰国して戸惑ったことのひとつが、店やモノの多さです。
日本では本当にたくさんの可愛いモノやお店が多いです。
しかし、数年ぶりにモールなんかを歩いてみると、そのモノや店の多さに目がくらんでしまいました。
正直、「ここまで多くなくていいのに・・・」と思ってしまったのです。
こんなにたくさんのモノがなくても、快適に生きていけるのになあと感じてしまいました。
でも日本の生活にも慣れた今は、以前のようにたくさんのモノを見てショッピングするのも楽しくなっています。
コンビニやレジの店員さんがそっけない
これはかなり意外な印象でした。
なぜなら、日本はおもてなしを大事にする国です。
接客サービスでは、ほかの国に負けていないと感じていたからです。
しかし、帰国して感じた印象は思っていたものとは違いました。
スーパーやコンビニのレジ、チェーンの飲食店の店員さんなどからは、お客さんに対する感情がみえてきませんでした。
娘はアメリカのスーパーでは定員さんとよく会話をしていました。
レジに商品をおくと、かならず店員さんと「Hi」とやりとりがありました。
そのため店員さんからはいつも話しかけられるものと思っていたようです。
トレーダージョーズというスーパーでは、子どもが買い物にいくと、シールやキャンディがもらえます。
いざ日本で娘がコンビニやスーパーで店員さんに挨拶すると、無視されることがほとんどでした。
もちろん聞こえていないこともあったと思います。
しかし、娘が店員さんに「こんにちは。」というと、
・びっくりした顔をされる
・二度見されてもなにも返事されない
・笑われる
などということが何度かありました。
正直これにはびっくりしました。
娘も、「どうして挨拶をしないの?」と終始不思議そうでした。
「聞こえてないんじゃない?」
「忙しいのかな?」
というのが精いっぱいでした。
もちろん、ほかのお店や旅館などで、すばらしい日本の接客サービスをうけることも多々あります。
日本の接客については、土地柄や提供するサービスによって、かなり日本国内でもかなり差がある気がします。
その他も書きたいことが山ほどありますが、長くなってしまうのでこのあたりでいったん終わります。
本帰国して感じた日本のすばらしさ
本帰国して、私がとくに感じた日本のすばらしさは、
・ご飯がおいしい
・お風呂が気持ちいい
・病院がたくさんあり便利
の3点です。
ほかにもたくさんあります。
たとえば、
・コンビニの便利さ
・デパートなどのトイレがきれい
・外食費が安い
・可愛いモノが安く手に入る
・自動販売機が多い
・子どもたちが単独行動できる
など、挙げればキリがありません。
とくに、ご飯がおいしいことは言うまでもありません。
日々の幸福度が増します。
売られているお菓子は全部美味しいし、スーパーに売られている食材はどれも質も味もすばらしいものばかりです。
それらが低価格で手に入るのは本当に恵まれていると感じます。
外食費も値上がりしてきているとはいえ、チップが必要なアメリカに比べると安すぎます。
駐在妻たちも、
“日本はごはんがおいしい”
“日本に帰っておいしいご飯が食べたい”
とは、皆が口を揃えて言う言葉です。
スーパーで美味しいお惣菜が安く買えるのも本当に便利で助かります。
逆カルチャーショックへの心構えと対策
逆カルチャーショックについては、本帰国するとある程度感じてしまうものだと思います。
私の友人で海外に1年留学したことがある子も、帰国したら感じたといいます。
そのため、本帰国に際してはある程度逆カルチャーショックへの心構えはしておいたほうがいいと感じます。
そして、想定される逆カルチャーショックについては、ある程度の対策をたてておくといいかもしれません。
たとえば、
・車の購入について検討する
・子どもと乗れる自転車を検討する
・ネットスーパーやコープの宅配について検討する
・夫と育児・家事分担について話し合いをする
・子どもの幼稚園・学校について調べておく
などです。
本帰国が決まったら怒涛の忙しさになりますが、少しずつでも考えておいたほうがいいでしょう。
元駐在妻の友人は、逆カルチャーショックへの対策として、日本の帰国と同時に車の購入に踏み切っていました。
最近では車を購入後、納期に半年かかることもあるようなので、早めに対策をしてもいいかもしれません。
またこの逆カルチャーショックでのストレスは、日本にずっと住んでいる友人には共感してもらえないことも多いと思います。
そのために、私は同じ境遇である元駐在妻と気持ちを共有し合うことが大切だと考えます。
元駐在妻であれば同じ境遇なので、このなんともいえない気持ちを分かり合うことができます。
私もかなりストレスを感じていた頃に、先に帰国した駐在妻の友達に連絡し、聞いてもらっていました。
つい先日も、ほかの駐在妻と帰国した際の戸惑いについて話し合い、発散してきたところです。
夫は仕事に忙しいので、日常感じる逆カルチャーショックには疎い可能性があります。
そのようなときには、ともに海外で生活した戦友ともいえる駐在妻とぜひ気持ちを共有し合ってください。
そして、いずれ日本での生活にも慣れ、時が解決してくれるはずです。
まとめ
この記事では、本帰国後に感じた逆カルチャーショックで
「日本が生活しづらい」
と感じた体験談をお伝えしました。
本帰国して感じた戸惑いについて、
・夫の会社の労働環境
・子育て環境
・ふだんの生活
にわけてお伝えしました。
いっぽう改めて感じた日本のすばらしさとして、
・ご飯がおいしい
・お風呂が気持ちいい
・病院がたくさんあり便利
を実感しました。
逆カルチャーショックについては、ある程度心構えをしたほうがいいでしょう。
また、想定される範囲内で、あらかじめ対策を練っておいてもいいかもしれません。
もし日本で逆カルチャーショックを感じたら、
元駐在妻と気持ちを共有し合うことが大切
だと考えます。
本帰国で感じた逆カルチャーショックも、いまでは時が解決してくれています。
ただ、本帰国するといろいろな不便さやストレスがあることは、あらかじめ知っておかれるといいかと思い、この記事を書きました。
この記事を書いたことでも、かなりストレス発散になりました。
新生活には順応するまでストレスがかかりますが、いずれ時が解決してくれるはずです。
それまで無理することなく、少しずつ順応していけるといいですね。
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